MAAS – 中小企業向けの高速で効果的な仮想化

by Canonical on 16 April 2019

仮想化技術の登場により、私たちのITインフラの利用方法は大きく変化しました。理論的には、単一サーバーリソースを共有して複数の分散したオペレーティングシステムを稼働することで、柔軟性がもたらされ、オペレーションが容易になるはずです。しかし実際には、技術面での深い知識と広範なトレーニングを必要とする機能が多数あるため、仮想化インフラの管理はコストが高く、複雑です。特に、各所にインストールされた少数のサーバーで分散型インフラを管理する必要がある場合は、このような課題がより顕著になります。

ユースケースは多様であり、エンタープライズアプリケーション、コンテンツ配信から、POS(店舗販売時点情報管理)システム、共有ファイルシステムにまで及びます。企業は複雑な仮想化ソリューションによるオーバーヘッドと複雑さがユースケースで正当化できるのか、またすべてのオプション機能、プリスクリプティブアーキテクチャ、独自規格の機能、および機能別ライセンシングが本当に必要なのかを判断しなければなりません。

MAASは、KVM Podを使用することでこの問題を解消します。このソリューションにより、管理者は物理ホストを専用のハイパーバイザとして使い、複数のKVMベースの仮想マシンを迅速に作成できます。ワークロードの要件に基づき、インフラオペレータはCPU、RAM、ストレージなどのリソースを簡単に割り当てることができます。KVM PodはMAASが検出および設定するネットワーク環境を共有する専用のベアメタルサーバーと並行しての配置が可能であり、この機能はMAASによる物理インフラ管理の仕組みを拡張、補強するものです。

2つの仮想マシンをホストするKVM Pod

仮想マシンがオンデマンドで簡単に自動作成されるため、バックオフィスアプリケーションに必要なインフラを持つ企業は、実際のサーバーと同じ運用プロセスを活用できます。KVM Podは、ハイパーバイザ構成の複雑さを抽象化し、企業が必要とするときに最適な方法でリソースを提供する技術の好事例です。

KVM Podの詳細および中小企業ニーズに合った使用方法については、MAASの最新のリリース(maas.io)および KVM Podのチュートリアルをご参照ください。

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