ソフトウェア定義型自動車をシンプルにするEB corbos Linux – built on Ubuntu

by Canonical on 14 May 2024

自動車メーカーはソフトウェア定義型自動車(SDV)への移行において多くの課題に直面しています。古いベンダーへの依存による拡張性の不足や高いメンテナンス費用もその例です。ソフトウェア中心のアプローチは、複雑性とコストの軽減、市場化期間の短縮、製品品質の向上、柔軟性の向上、サイバーセキュリティの強化に貢献します。

自動車メーカーがソフトウェアの開発とサービスを強化するには、根本的に工程や組織構造を改革する必要があります。卓越した製品や顧客サービスを提供するには、さまざまな部門や社外組織との協力も重要です。競争力の高いブランドはそれを目指す必要があるでしょう。

SDVは未来の電気/電子(E/E)アーキテクチャです。未来の車、つまりSDVはモバイルコンピューターのようなものです。ハードウェアに制約されることなく、ソフトウェアの更新によって機能を変化させ、高い適応性や性能を発揮します。

SDVの利点を生かす

Canonicalのソフトウェア定義車両に関するCTO向けガイドで説明したように、SDVは車のE/Eハードウェアの構成を簡素化し、車のアーキテクチャの複雑性を軽減します。複数のECUを少数の高度なコンポーネントで置き換えることで、カスタマイズ、テスト、各種ECUの統合にかかっていた設計や開発の作業を減らし、市場化期間を短縮するのです。少ない項目に企業リソースを集中できるため、品質の向上が楽になります。何よりもコストが下がります。

しかし、ハードウェアの簡素化だけではプラットフォームの柔軟性を確保できません。SDVはさまざまなコンポーネントを相互接続する強力なレイヤーです。ソフトウェアレイヤーがコンポーネント、ソフトウェアプラットフォーム、ネットワークを結ぶインターフェイスの役割を果たします。ソフトウェアは多くのハードウェアプラットフォームに適応できるため、理想的にはOEMメーカーがサプライチェーン上の問題やコンポーネント不足に対応しやすくなります。

ソフトウェア定義型自動車はOEMの競争力を高め、価値のあるユーザー体験の開発、モバイルサービスの向上、ソフトウェアや機能の収益化などに役立ちます。SDVによって安全対策もシンプルになります。安全性確認ポイントや信頼性を高める機能を複数のECUに応用し、新しい脅威を防ぐ修正をより多くのデバイスに加えられるためです。

サイバーセキュリティのリスクが高まる現在、簡素化されたソフトウェアプラットフォームが攻撃対象領域を減らし、車のサイバーセキュリティをレベルアップするという実証が、SDVのコンセプトにおける今後の課題となるでしょう。

他にはない柔軟なソリューション

ADやEVなどの技術によって車が急速に進化する中、より柔軟なソフトウェアプラットフォームが求められています。ElektrobitのEB corbos Linux – built on Ubuntuは、セキュリティと信頼性に優れたコネクテッド車両を実現するソリューションとして、ソフトウェア定義型自動車を目指すティア1やOEMメーカーサプライヤーの高い評価を得ています。小さなフットプリントと最大15年の長期メンテナンスサポートにより、自動車メーカーに柔軟性も提供します。

ElektrobitはUbuntuの汎用性を備えているため、開発者は幅広いツール、ライブラリ、コンポーネントを使用して設計やテストのプロセスを改善できます。 さらにCanonicalがLTSリリースで20年以上提供してきた安定性と信頼性、定期的なセキュリティパッチもあります。

EB corbos Linux – built on Ubuntuは、Elektrobitの車載ソフトウェアに関する専門知識とUbuntuおよびCanonicalのオープンソース技術という利点を兼ね備えています

定期的なOTA更新(ネットワーク経由の更新)により、EB corbos Linux – built on Ubuntuは車の寿命が尽きるまで常にセキュリティを確保します。強力で拡張性を備えたOSは、Elektrobitの車載ソフトウェアに関する知識とCanonicalのUbuntuの拡張性を踏まえ、次世代のコネクテッド車両にすぐに利用可能なソリューションです。

EB corbos Linux – built on Ubuntuには、組み込みイベント管理/ロギングシステム、自由に設定可能なルートファイルシステム初期化機能、開発/ビルド用のSDKなど、車載専用の機能もあります。

協力が進歩を支える

EB corbos Linux – built on UbuntuはSDV開発における大きな前進です。Ubuntuを基盤とすることで開発インフラストラクチャの整備、プロトタイプの作成とデプロイにかかる時間を大幅に短縮します。さらに実証済みのセキュリティメカニズムと長期サポートにより、Ubuntuデスクトップと同様にOSのCVEパッチを利用できます。

ElektrobitとCanonicalは、現在と未来の難しい車載用途向けに設計されたOSで業界のSDV移行を推進するため、この取り組みにおいて緊密に協力しています。そしてソフトウェア業界と自動車業界での数十年にわたる経験を生かし、車載ニーズに応じた総合的なオールインワンソリューションを提供します。

組み込み車載ソフトウェア開発の最先端を走るために、ぜひ次世代のソリューションをお試しください。

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