Ubuntu 20.10を搭載したRaspberry Piが完全なLinuxデスクトップとマイクロクラウドを実現
by Canonical on 22 October 2020
2020年10月22日:Ubuntuの提供元であるCanonical(本社:英国・ロンドン、CEO:Mark Shuttleworth)は本日、デスクトップとサーバー用に最適化したRaspberry Piイメージを含むUbuntu 20.10をリリースしました。これにより世界で最もオープンなプラットフォームと世界で最も安価なハードウェアを組み合わせ、学習者、発明者、教育者、起業家をサポートします。
Canonicalの最高経営責任者(CEO)であるMark Shuttleworthは次のように述べています。「世界中の人にオープンコンピューティングを届けるというRaspberry Pi財団の取り組みを歓迎します。個人利用、教育目的、未来のベンチャービジネスの基盤など目的が何であれ、UbuntuをインストールしたRaspberry Piの最適化を通じてこれを支援することをうれしく思います。」
すでに多数のx86およびARMデバイスがパブリッククラウドおよびデスクトップ用OSとして知られるUbuntuの認定を受けており、Raspberry Pi 2、3、4はそれに続くものです。Dell、HP、LenovoもUbuntu Desktopを搭載したPCを認定しています。Ubuntu Desktopは、AWS、Microsoft Azure、Google、IBM、Oracleクラウド上で最も広く使用されているOSでもあります。
Ubuntu 20.10はLXD 4.6およびMicroK8s 1.19も組み込み、回復力のあるマイクロクラウド、すなわちエッジでオンデマンドでVMやKubernetesを提供する小規模なサーバークラスターのほか、リモートオフィス、支店/支社、倉庫、分散指向インフラに対応します。
Ubuntu Desktop 20.10
Ubuntu 20.10は、Raspberry Piのデスクトップ使用に対応するほか、GNOME 3.38を搭載しています。GNOME 3.38ではアプリの配列が変更され、常用タブがなくなり、ユーザーの好きなようにアプリの順序や並びを変えることができます。バッテリー残量をパーセンテージ表示するトグルは電源管理設定にあり、プライベートWi-Fiホットスポットは生成したユニークQRコードで共有できます。再起動オプションはステータスメニューのログアウト/電源オフの隣にあります。
Desktop 20.10はUbuntu認定デバイスのサポートを強化しました。生体認証機能に標準で対応するUbuntu搭載ワークステーションも増えています。タッチスクリーンを持つ2-in-1デバイスは完全にサポートされ、Dell XPS 2-in-1やLenovo YogaなどのデバイスでもUbuntuのユーザー体験が改善されました。
4GBまたは8GBのRAMを持つRaspberry PiのモデルはUbuntu Desktopを完全にサポートします。Raspberry Pi Tradingの最高経営責任者(CEO)であるEben Upton氏は次のように述べています。「商業用、コミュニティ内など何のプロジェクトにRaspberry Piを使用するにしても、当社は最善のユーザー体験を目指します。Raspberry Pi 4でUbuntu Desktopを使用することにより、ユーザーは最新のオープンソース技術を搭載したハードウェアを活用できます。Raspberry Pi Ubuntu Desktopは、世界中のユーザーにとってオープンソースを利用した発明への入口です。」
マイクロクラウドの導入
マイクロクラウドはエッジでのオンデマンド処理に対応する新しいクラスのインフラです。マイクロクラウドは分散し、シンプルで、規模は小さいものから極めて大きなものまであります。CanonicalはUbuntu 20.10で、Ubuntu上でMAAS、LXD、MicroK8s、Cephを組み合わせたマイクロクラウドスタックを導入し、ハードウェア化した回復力の高いポケットクラウドによって、5G RAN、インダストリー4.0工場、V2Xインフラ、スマートシティ、医療施設におけるミッションクリティカルなワークロードに対応します。
Raspberry Piでは、ユーザーがMicroK8sから始め、可用性の高いワークロードをエッジでオーケストレートすることも、LXDのクラスター構築および仮想マシン管理機能を使用してホームラボアプライアンスを構築することも可能です。Ubuntu 20.10リリースでは、ユーザーがRaspberry Piを通じてクラウドのフル機能を実験、テスト、開発する道が開けます。Ubuntu 20.10を搭載したRaspberry PiならロボットからAI/MLまで何でも可能です。
Ubuntu 20.10はこちらからダウンロードできます。
Raspberry PiへのUbuntu 20.10のインストールについて詳しくは、2020年10月23日(金)午後5時(BST)のライブ配信をこちらからご覧ください。
<以上>
Canonicalについて
Canonicalは「Ubuntu」を提供する企業です。Ubuntuは、ほとんどのパブリッククラウドのワークロードに使われているOSであり、スマートゲートウェイ、自動運転車、高度なロボットなどの最先端分野でも使用されています。Canonicalは、Ubuntuの商用ユーザー向けにエンタープライズセキュリティ、サポートおよびサービスを提供しています。Canonicalは2004年に設立された非公開企業です。
ニュースレターのサインアップ
関連記事
Canonical、Ubuntu 23.04 Lunar Lobsterを公開
新しいインストーラー、Active Directoryログイン、ゲーミング性能で、仕事にも遊びにもUbuntu Desktopがさらに便利に 2023年4月20日: コード名「Lunar Lobster」のUbuntu 23.04は本日よりhttps://ubuntu.com/downloadからダウンロードとインストールが可能です。 Canonicalの最高経営責任者(CEO)であるMark Shuttleworthは次のように述べています。「このUbuntuリリースは、Active Directory Domain Services、さらにAzure Active Directoryを統合した優秀なLinuxにより、Canonicalが企業環境の開発者のデスクトップを […]
Ubuntu 23.04に先立ちLunar Lobsterが登場
来月のUbuntu23.04のリリースに先立ち、夜空に現れた新しい星座。占星術師は大喜びかもしれません。 注目のLunar Lobsterは、Ubuntu Desktopを大規模に運用および管理したいITマネージャーに幸運をもたらすと言われています。Steam snapの安定版リリースが近づくにつれ、Ubuntuゲーマーも輝きを増しています。 従来のUbuntu Desktopインストーラーは今年、Subiquityに座を譲りました。新しいインストーラーはデスクトップとサーバーのコードベースを調整するとともに、高度なユーザー体験を提供します。最後に、デスクトップ環境はまもなくGNOME 44への移行を完了します。これですべてのユーザーの健全性と操作性が改善されることは間違 […]
2023年5月31日のUbuntu 18.04 LTS標準サポート終了に備えて
大人気のUbuntuリリース、Ubuntu 18.04 LTS「Bionic Beaver」長期サポート(LTS)リリースに提供されている5年間の標準メンテナンス期間が2023年5月31日に終了します。 Ubuntu LTSリリースとは Ubuntu LTSリリースは、開発と実運用に対応する安定したエンタープライズプラットフォームであり、「Main」リポジトリの5年間の標準セキュリティメンテナンスおよび次のLTSリリースへのインプレースアップグレードが付属します。 しかしこのたびは、次のLTSに移行するか、Ubuntu Proにアップグレードするか、いずれかの対応が必要です。2023年5月31日以降、18.04 LTS搭載の機器にはセキュリティ更新プログラムが配信されない […]