正しいLinux OSの選択によりIoT製品化までの時間を短縮

by Canonical on 10 April 2019

IoT産業の数十億ドル規模の将来性を見込んで、関連するハードウェア、ソフトウェア、およびソリューションが急増するなか、各ベンダーは開発から市場投入までの時間を早めようと苦悩しています。製品の市場への投入段階、あるいは最悪の場合投入後の問題を回避するためには、開発段階で最初から適切なインフラを選ぶなど、正しい選択をすることがより一層重要になります。

市場投入までの時間を短縮する一つの方法は、最初から正しいオペレーティングシステム(OS)を選択することです。これにより、製品を保守可能、かつ拡張可能、そしてなによりセキュアにします。Eclipseの『IoT Developer Survey 2018』(IoT開発者調査2018)によると、LinuxベースのOSが現在もIoTエコシステムで最もよく使われており、RaspbianとUbuntu/Ubuntu Coreがトップシェアを占めています。

商用IoTゲートウェイメーカーのRigadoは、自社のハードウェアの製造においてこのOS選択の問題に直面しました。当初はオープンソースのLinux OSであるYoctoを採用しましたがすぐに、これでは顧客がOS、セキュリティ、その他の更新の保守に莫大な時間を費やさなければならないことが判明しました。これは多くのRigadoの顧客にとって重要な事業目的の妨げとなるものでした。

そこでRigadoは、Ubuntu Core、Snap、およびCanonicalのプライベートブランドストアに切り替えることで、顧客の悩みを取り除くことにしました。Ubuntu CoreとSnapに関して、Rigado CEOのBen Corrado氏は次のように述べています。「コンテナ化された技術を用いて知的財産を保護するソリューションがすでに用意されています。Rigadoは、Canonicalとの関係を通じて、セキュアでシームレスかつ管理された更新を提供できます。」

Rigadoは、顧客によるゲートウェイインフラ技術の選び方に変化をもたらすことで、製品の市場投入までの時間が短縮されることを理解しました。顧客はRigadoのCascadeプラットフォームを使用することで、3~6か月でコンセプトから本稼働まで移行し、開発時間および市場投入までの時間を最大で1年早めることができます。

固定機能のゲートウェイからパッケージベースの集中管理ソリューションへのシフトがRigadoのビジネスにもたらした提供は、顧客にとって非常に重要です。「文書化された体系的なプロセスであることで、私たちは一つの顧客を通じて得た経験をすべての顧客に展開することができ、その結果、顧客は迅速に現場へと展開することが可能となるのです」とCorrado氏は述べています。

RigadoがUbuntu CoreとSnapにより市場投入までの時間をどのように短縮したのか、以下のビデオでCorrado氏のインタビュー全文をご覧いただけます。

ニュースレターのサインアップ

Ubuntuニュースレターの配信登録

お客様が購読登録を行われる場合、以下の条件に同意されたことになります。Canonicalのプライバシーに関するお知らせ個人情報保護ポリシー

関連記事

常時接続フリートにおけるOTAとテレメトリの管理

私のブログ記事を過去2年間読んでくださっている方は、自動車業界がおそらく今日の最も革新的な業界であることをご存知でしょう。実際、世界でも極めて価値の高い企業が、電気自動車(EV)、自動運転(AD)、人工知能(AI)に携わっています。他の革新と同様、この革新にも一連の課題が伴います。 私は、理解や習得が最も難しいテクノロジーが、必ずしも最も複雑に見えるテクノロジーとは限らないことに気づきました。OTA(Over-The-Air)更新とフリートのテレメトリの管理は、今日の自動車業界において最も有望なテクノロジーですが、複雑に見えるテクノロジーでもあります。 OTAの隠れた力 OTA更新は、車両の価値を根本的に覆す可能性を持っています。リモートでのソフトウェアとファームウェアの […]

リアルタイムLinuxに関するCTO向けガイド

リアルタイムシステムおよびそのユースケースと仕組みを理解する 最近の予測によると、2025年には世界のデータの30%近くがリアルタイム処理を必要とします。制御システム、産業用エッジサーバー、PLC、ロボット、ドローンなどを駆動する産業用PCとリアルタイム機能への需要は高まる一方です。ワークロードによって必要なリアルタイムパフォーマンスやサイクルタイムは異なりますが、リアルタイムコンピューティングは今後もますます普及するというのがアナリストの見解です。 また、ソフトウェアがハードウェアデバイスや周辺機器を綿密にサポートすることで、Linuxカーネルを介したリアルタイムコンピューティングが活躍しています。カーネルにリアルタイム機能を持たせる多くのアプローチの中で、PREEMP […]

Canonical Jobs – Linuxエンジニア

Linuxフィールドエンジニア IoT分野における当社の主力製品、Ubuntu Coreはユニークな存在です。最高の信頼性、セキュリティ、フットプリントを実現するため、Linuxを再発明したものと言えます。当社の顧客は、自動車、市販電子機器、医療機器、産業システム、ロボティクス、ゲートウェイなど、さまざまな業界にわたりますが、厳しい品質とセキュリティの要件を満たすよう迫られているという点では共通しています。 日本市場での急速な展開に対応するため、当社はデバイス部門のフィールドエンジニアチームの拡大を検討しています。この重要なポジションは、新しいテクノロジーを迅速に習得し、多くの業界の最先端でお客様のソリューション構築を支援することが求められるため、能力ある候補者はキャリア […]