Canonicalがマネージドアプリを発表、企業のクラウド運用をシンプルに

by cmoullec on 2 April 2020

Ubuntuの提供元であるCanonical(本社:英国・ロンドン、CEO:Mark Shuttleworth)は本日、マネージドアプリを発表しました。これにより企業は自社のアプリケーションを、Canonicalを通してフルマネージドサービスとして展開および運用することが可能になります。提供開始時点では、マルチクラウドKubernetesだけでなく、ベアメタル、パブリックおよびプライベートクラウドの仮想マシンで幅広く利用されている、10種類のクラウドネイティブデータベースアプおよびLMA(ログ記録、モニタリング、アラート)アプリに対応しています。マネージドアプリは、時間のかかる管理タスクからDevOps(開発運用)部門を解放し、ビジネス上の価値の提供に集中できる環境を予測可能なコストで提供します。

Canonical は、MySQL、InfluxDB、PostgreSQL、MongoDB、Elasticsearchなどのデータベース、NFV(ネットワーク機能仮想化)管理およびオーケストレーションアプリケーション、Open Source Mano、イベントストリーミングプラットフォームであるKafkaを管理します。Canonicalのマネージドアプリサービスは、ニーズに応じた拡張、フォールトトレランスを実現する高可用性、セキュリティのパッチおよびアップデートに対応しているため、アプリの信頼性が保証されています。このマネージドアプリは、アップタイムのSLAと24時間365日体制の故障時修理対応によって保証されており、企業は統合型のLMAスタックおよびダッシュボードでアプリの状態をモニタリングできます。このスタックにはGrafana、Prometheus、Graylogが含まれており、スタンドアロン型のマネージドサービスとしても利用できます。

Canonicalの製品担当ディレクターであるStephan Fabelは次のように述べています。「企業がクラウドネイティブのアプローチへ移行を進める現在、クラウドやそのアプリケーションの基礎的な管理に多くの時間を費やすことは、ビジネスのスピード低下につながります。Canonicalのマネージドアプリを活用することで、企業は自社のアプリが確実に管理・保護され、かつ運用ニーズに合わせて拡張できる状態を確保したうえで、ビジネス上の優先事項に集中することができます。」

マネージドアプリは、DevOps部門が直面するインフラ管理の複雑さを解消します。スタートアップ企業であれ大企業であれ、Canonicalのマネージドサービスを通じてミッションクリティカルなアプリの展開と提供を加速できます。また、Canonicalが持つ技術的な専門知識を活用することで、スキルギャップを充足し、時間のかかる管理タスクのためにアプリのスペシャリストを雇用するコストを削減できると同時に、24時間365日体制のグローバル対応が保証されます。

Canonicalのマネージドアプリでは、クリティカルな場面でアプリがその性能を発揮できるよう、ニーズの変化に応じたリソースの拡張やデフォルトでの高可用性の提供など、完全なライフサイクル管理が提供されます。さらに、常に懸案となるセキュリティとITリスクに関しては、CanonicalのマネージドサービスはMSPAlliance Cloud Verify認定*を取得しているため、安心して利用できます。なお、この認定はSOC 2 Type2、ISO 27001 / ISO 27002、そしてGDPRコンプライアンスに相当するものです。

Canonicalのマネージドアプリは、すでに10種類の幅広く利用されているオープンソースアプリに対応し、今後も対応アプリを拡大する予定です。これにより、企業は複数ベンダーと契約する必要がなくなります。すべてのクラウドアプリケーションを1つのベンダーに集約することで、パフォーマンスのアカウンタビリティを向上させ、1つのSLAで資産を管理することができます。加えて、サブスクリプションにはUbuntu Advantage for Infrastructureが含まれており、Ubuntu、Kubernetes、OpenStack、Cephなどオープンインフラのあらゆる側面に対応しているため、マネージドアプリを利用するすべてのお客様は基盤となるインフラへのサポートを利用できます。

IT部門は、マルチクラウドあるいはハイブリッドクラウドのいずれの戦略であっても、Canonicalの専門知識を活用することができます。CanonicalのマネージドアプリはKubernetes、OpenStack、VMWare、および主要なパブリッククラウドのUbuntu上で動作するアプリのワークロードに対応しています。

* 2020年4月に認定が確定する予定です。

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